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●プロレス(G)萌え ●名作プロレス小説のアーカイブ ●作者不詳の作品も保管します。 ●イケテル画像の保存活動(笑)
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演劇部の演目が始まり、ざわめきが落ち着いてゆく。

腰をさする淳がいた。勇太が笑う。格技室翔が入ってきた。

あ、ちょうどイイトコにいたっす!

孝司だった。

あ、チワッす!仁太郎先輩!!

勇太が二人を迎えた。

二人は学祭の見物に来たようだった。

プロレスは終わっちゃったんすねぇ。
残念す。

孝司は仁太郎を見た。仁太郎はうなずいた。

翔先輩が強いって言ったら、先輩が見たいってさ。
だから来たのにな。

相手、してくれませんか?

仁太郎は翔を見据えて言った。
翔の目の色が変わった。

オレも強そーだなってね、思った。


三人が見守るなかで、翔と仁太郎がマットに立った。
孝司は翔の強さは知っていたが、日々のスパーリングの仁太郎も知っていた。

勇太はすでに1度、仁太郎と身体を合わせたことがある。その強さは知っていた。オモシレー!!

孝司よりも大きなカラダをしている。翔だって鍛えているのだが、比べると断然、仁太郎がデカかった。

仁太郎が動いた。レスリング仕込みのタックルは鮮やかだった。翔は軽く飛ばされた。脚を攻めにいく仁太郎。スタンディングアキレス腱固めだ。

キョーレツだったゼッ!!

勇太が翔の替わりに応えた。翔は無言で耐えていた。

仁太郎は右腕で翔の左脚を極めたまま、自分の左脚で翔の残りの脚をふみつけてマタ裂きの状態に。そして流れるように膝十字へ移行。

ハッ!ハッ!ハァア!ハッ!

仁太郎の息遣いが道場に響く。シビアなプロレスだ。

極めあぐねた仁太郎は膝十字を崩し、マット中央でファイティングポーズ。

翔は素早く立ち上がるとドロップキック。仁太郎の胸板にクリーンヒット。不意をつかれたせいもあり、仁太郎はマットに沈んだ。

翔は鎖骨のすぐ下あたりに鋭いエルボーを2発、3発とたたきこんだ。大の字の仁太郎の左腕にニードロップ。すかさず腕ひしぎの体勢に。

仁太郎も逃げる。極められたら終わりだ!そんな感じだった。

仁太郎は脚を翔の首筋を絡めるように脱出。形勢逆転。
仁太郎の右脚が翔の左脚に絡んだかと思ったときにはグランド卍が完成間近だった。

ヤベーよ!くらったらっ!

勇太の興奮した声が響く。

仁太郎の左腕が翔の右腕のスジを伸ばした。完璧なグランド卍だ。

ハッ!ハッ!ハアァ!ハッ!

仁太郎はグイッ!グイッ!と締めていく。

孝司がマットに飛び込みレフリーをかってでた。

ギブっすか?翔先輩!!

翔は応えようとしない。仁太郎は無言で首を狩るように左脚で圧迫していく。
仁太郎の太いふくらはぎの筋肉が翔の首筋で山のように盛り上がる。

ギブっすか?!

孝司は翔のギブだと思った。仁太郎も勝ったと思った。仁太郎の卍からは逃れられないはずだ。

ノーーーーーーーー!!!

翔は動く左手で、自分の首に巻き付く仁太郎の脚をほどきにかかった。無理に思えた。

瞬間、仁太郎の叫び声を上げた。ちょうど、アキレス腱固めのような感じで抜けられたのだ。仁太郎の勝ち焦りだった。

今度は翔がマット中央でファイティングポーズ。挑発的だった。不用意に立ち上がった仁太郎に翔はブレーンバスターを挑む。持ち上がるようには見えなかったが、翔は見事に抱え上げると、強烈に垂直にマットに落とした。

翔は仁太郎の両足を抱え込んで、おもいっきりボストンクラブ。ガッチリ入った。

仁太郎!ギブするかぁ?

翔は腰を深く落とした。

ガッッッツツッッ!!!!

仁太郎もロープを目指す。返すことは出来ない。ロープを目指す。

ロープ!!ロープっす!!

孝司は翔の背中を叩く。
翔は逆エビを解放。仁太郎は動かない。
翔はすかさず仁太郎の両足を持ち、マット中央へ引きずり込む。

仁太郎の体勢を反転。翔の左脚が仁太郎の右腕を捕らえた。翔の左足膝裏が仁太郎の後頭部を捕らえた。

ガハッ!!

短く仁太郎の息が漏れた。
翔の両手が仁太郎の左腕を固めた。

うわぁっ!!ストラングルホールド!!!

勇太は叫んだ。

仁太郎!!ギブかああ!!あぁ!!

仁太郎は両足をバタつかせるが、その動きには元気がなかった。

先輩!!ギブっすか?

ノウ!ノウ!ノウ!!!!

翔は更に左腕を絞り上げる。
同時に翔は重心をじょじょに落としていく。仁太郎は首がメリ込むような激痛に耐えていた。

ウオラアァア!!仁太郎!!ギブだなぁ?!
ギブだなぁ?ああぁぁ??!!

グゴッホッ!!!

翔先輩!!ギブです!ギブです!!

孝司が翔を止める。

翔は瞬間、技を緩めたのだが、仁太郎の無言状態をみて、更に絞り上げた。翔は更に腰を落としていく。仁太郎の顔は、自分の盛り上がった胸筋につくぐらいの勢いだった。

グウゥッツハッアァッツッッ!!!!

仁太郎!参ったのかあ?ギブするのかあっ!!!
あああああぁぁぁぁ!!!!?????

仁太郎の右手が、翔の脚で絡めとられた右手が、力なくマットを叩いた。

ギブっす!ギブっす!!!
センパイッ!!ギブアップですっっっ!!!

孝司は翔の背中を夢中でたたいた。
翔は技を解いた。
仁太郎は仰向けに倒れた。翔はそのまま座りこんだ。
二人とも汗だらけだった。

ハァ、ハァ、ハアァア、ハア。

二人の呼吸が不思議と同じだった。

サイコーっすよ。翔先輩。

仁太郎は天井を見上げて言った。

ギブアップっすよ。翔先輩。

翔は仁太郎の腕をとって立ち上がらせた。

参ったっす。翔先輩。

翔は仁太郎の首筋を揉みほぐした。


スッゲー!!スッゲーよ!!!

勇太は一人叫んでいた。
淳はやっぱり兄貴はツーエーや、と思った。
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