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●プロレス(G)萌え ●名作プロレス小説のアーカイブ ●作者不詳の作品も保管します。 ●イケテル画像の保存活動(笑)
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夏休みの終了が明日に迫っていた。
かといって、部活動は毎日のようにあった。
柔道部の部員たちも、日々、熱のこもった道場で、練習をし、プロレスをしていた。


 オースッ!! 相変わらず、アッチーな!!

それは、サッカーユニフォームの雅也だった。

 スッゲーな!金髪かよ!

翔は雅也の髪をクシャっとつかんだ。

 チョッとイメージチェンジだろ?
 サッカー選手?って感じしねぇ?

雅也はニカッと笑った。
 
 オーシ!プロレスするぞぉ!!
 オッ!見たことないのがいるじゃん。誰よ?

見つかったのは竜二だった。

 アレッ?ラグビー部のハンパもんじゃねーか?

 最近はちゃんと出てるっス。

真剣に竜二は応えた。なんだか雅也はおかしかった。

 ヨシッ!!今日は竜二とプロレスするかっ!!

金髪の雅也は練習を終えてきたばかりのシャツを脱いだ。全身がよく焼けていた。
雅也は軽くストレッチをする。

竜二が不用意に近寄った瞬間にプロレスは始まった。

組み付かれた竜二はダブルアームスープレックスで軽々と投げられた。
体格のいい竜二を投げる雅也の脚腰は本物だ。
びっくりした竜二は大の字で動きが止まってしまった。

 オイオイ、オレの逆エビをくらいたいってかあっ!!

雅也は竜二の両脚を両脇で抱え込むと、一気に反転。
逆エビ固めだ。

 ガアアアーーーーー!!!!!!!
 
大股が開いた竜二の両脚は雅也にコントロールされるままに反り上がった。

 ッラァア!!ッラァぁ!!ギブかあ?竜二!!
 
 ううゴオ!!!ガぁ!!まだッス!!

 オラオラ!!オレにも技、掛けてみろや!!

雅也はグィッグィッと竜二の腰を攻めた。
竜二は腕立ての体勢で技から逃れようと懸命である。

雅也は技を解いて、竜二を立ち上がらせた。

 プロレスなんだぜ!先輩だからって気にすんなよ!!

雅也は竜二に張り手を放った。
竜二も負けじと張り手。

竜二はすかさずバックをとると、投げっぱなしのジャーマンで雅也を飛ばした。

 ブッグぅぅ!!!

 センパイ!!キメるっすヨ!!

雅也の左ふくらはぎを抱えたまま、竜二はマットに倒れ込む。

 ッッううアアアアーーー!!!

竜二の左脇に挟まれた雅也の左脚に激痛が走った。
アキレス腱固めだ。
 
 ギブっすか?

 ッッ!!クぅっ!!ノゥノゥ!!

 これでどーっスか?

 アアアッッーー!!ツウウフウゥゥーー!!
 
竜二は左手首をゴリゴリと動かして、雅也の脚を圧迫した。

 アアアッッ!!イッテッんだよっ!!

竜二は叫びながら、強引に反転。勢いで技を解いてしまった。
素早く立ち上がったのは雅也だったが、かなりの痛さだったらしく、左脚を気にしていた。

アキレス腱固めの激痛にキレた感じの雅也は、真剣な顔だった。

 竜二にもオレの4の字キメてやるかんなあ!!

クルリと竜二の左脚を自分の右スネに絡める雅也。
足4の字に入る雅也のスピードは絶品である。

 アッ!!ッッッああっっ!!!

 ウラァア!!イテーべ?

竜二はエスケープを試みるが、固められた雅也の4の字はまた格別な痛みがあった。

4の字にロックされた自分の脚の向こうに勝負に真剣な雅也の顔が見えた。

 ッラァ!!ッラァぁ!!ギブかあ!!

 ッウウックぅぅ!!まだッス!!

雅也の迫力ある大腿部がさらにリキみあがると、4の字が更に絞り込まれた。

 どうだッァア!!ギブるかッァ!アァッ!!?

 アツウグゥぅ!!まだまだッス!!!

雅也は竜二の脚を抱えたまま、腰が浮き上がるほどに突きあげた。

 ギイィイブゥアップゥ???
 ギィイイゥブブゥウッッアッッツプッ??
 ギブアッップッッッウ???

 ガアアーー!!!!ギブっスッ!!
 ギブアップっスゥゥ!!!



4の字を外す雅也。

 でも、ちゃんと練習出てるッスよぉ。

何だか雅也はおかしくて、竜二の頭を抱えた。
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夏の暑さはまだまだ続いているというのに、夏休みの終わりが見え始めていた。
勇太はレスリング部の合宿に出かけていた。
偶然、孝司の行く中学とも合宿場所が同じであった。
孝司の学校にもプロレス好きな奴がいるもので、やはり、就寝前のひとときはプロレスごっこだった。

レスリングの基本を身に付けているツワモノたちばかりである、「ごっこ」といいながらもそのプロレスは激しいものだった。



 でよお、オイ!聴いてんのか?
 で、孝司を腕ひしぎで極めてやって、
 ギブらせてやってたら、挑戦されたんだよ。

 孝司の先輩で2年の副部長ダゼ?
 そーそー、孝司よりガチっとマッチョなんだよ。
 ナンっつったかなあ?仁太郎さんだったかな?
 ンで、プロレスしたんだよ。
 ヤッパ、コエーよ。知らない人だしな。
 もう、ムネキンなんかバーンって感じだしよぉ。
 まあ、レスリング部どうしだから、
 タックル始まってな!

 そんで、まずはオレが技を仕掛けてみたんだ。
 アキレス、アキレス!!
 オゥ!極まったゼ!
 でもよー、なんか仁太郎さんはシブイ顔してよ、
 逆にオレをアキレスに極めるんだよ!

 ッテーヨ!!マジで!

 なんか動きが特別速いわけじゃねんだけどさあ、
 極めるんだよなあ!
 ウメンだなあ。
 バーカっ!スグにロープだっつーの!!
 もうそれから先輩の練習台みてぇなもんだぜ!
 逃げられねんだ。

 まんま転がるように逆エビだろ?
 デケェからつぶれたぜ!
 
 そんで解放されてキャメルだろ?
 焦らしなし!って感じでよ!ゴリゴリだぜっ!

 ふらつくオレを立ち上がらせてよ!
 ドロップキックだぜぇ!?
 重量級ダゼェ?ふっとんじまったぜっ!

 オレもこのままじゃムカつくしよー、
 スキをついて絞めにいったけどな。
 ケッコウ、マジ極まりでイケルか? 
 なんて思ったけど、
 先輩オレを背負ったまま立つンだぜぇ?!!
 そのまま倒れ込むわけよ。
 バッグドロップ並みの衝撃!

 なんかもう
 技の名前なんかわかんねぇ関節バギバギでよぉ!
 脚極められて、
 腕極められてボロボロになったとこでよ!

 首に先輩の脚が掛かってよ、
 グランド卍の完成よォ!!
 ガマンできネーって!
 ギブギブだって!!
 なんか筋肉に絡まれたって感じだって!!
 ギシギシってゆーかあ、
 ミシミシってゆーかぁ、な。
 壊されるかなあ?なんてな。
 先輩はムゴンなんだもんなあ、コエーヨ!!
 ナンカ気迫のある呼吸だけが聞こえてきてよぉ。
 グイッグイッて卍が強烈に極まってくんだもんなあ。

 ギブッス!!ギブッス!!!!ってなもんだよ。
 翔先輩ともイイ勝負じゃねーかな?なあ?
 キーテンのかあ?
 


淳はしばらくプロレスしてねーなあ、と思い、ケータイを放り投げた。
暑い空気の充満するベッドに横になった淳はツマンネーナアと天井を見上げた。
夏休みがまるで、いつまでもあるような感じだった。
太陽のパワーは全開で、容赦のない光線の放射の盛夏を迎えていた。

勇太が竜二を孝司の家に誘ったのは、そんなある猛暑の日のことだった。

アスファルトはグニャリと柔らかく、歩く足跡が残るぐらいに感じられた。


 オーウ!何だよ、二人してさあ!

 アハハハ!!

 涼しそうじゃねぇか!?

孝司は庭に子供用のビニールプールをだして、浸かっていた。青いストライプのパンツをはいて、麦わら帽子をかぶった孝司はまさに夏の子供の姿なのだが、孝司のガタイはミニビルダーであった。

 オマエたちもオレの自慢のプールにはいるか?

孝司に誘われるままに二人はパンツ一丁になると、孝司を引きずり出し、二人で占領してしまった。かといって、そんなに大きなプールであるわけでもなく。

孝司はホースを持ち出すと、二人めがけて放水した。
最大水圧のシブキが二人の身体に当たり、キラキラと水しぶきが上がった。


勇太は眠ってしまったようだ。

小さなプールに両手両脚を放り出し、水に浸ったままの勇太は、高い空をボンヤリと見ていたのだが、いつの間
にか始まっていた二人の勝負が目に入ると、はっきりと目覚めた。

孝司と竜二は青あおとした芝の上でプロレスをしていた。ちょうど竜二が孝司のコブラツイストに耐えている場面だった。

 ウラア!オレのコブラでまたギブするかあ?

 アガアアーー!!!ノウっっ!!ノウ!!

体格的にはドッコイなのだが、孝司のほうが日頃の筋トレのせいか大きく見えた。孝司は竜二の首筋をクラッチした腕で引き寄せる。

 ッラァっっ!!!ギブッウ??!!

 っなろぅぅ!!!っっらぁぁあ!!

竜二は気合いを入れると右腰にのせ上げるように孝司を投げ飛ばした。

ドスンと落ちた孝司の両脚を抱えた竜二はサソリの体勢に。抵抗する孝司のチカラをねじ伏せ、竜二は孝司をサソリ固めに捕らえた。

 ッッシャアアーー!!!!
 孝司っっ!!ギブかあ!!!?あァ!!???

 ッううアアアアー!!!効かねーよっっ!!

孝司は腕立て伏せの体勢で何度も竜二を挑発した。
竜二も負けないで極めにいくのだが、孝司にはあまり効いていないようだった。竜二はサソリを自ら解くと、攻めあぐねてしまった。

 竜二!絞めちゃえ、絞めちゃえよォ!!

勇太の言葉に閃いた竜二は孝司の脚をリバースインディアンデスロックの状態にした。STFにいくような感じだ。

竜二は孝司の背後から左腕を自分の左腕で巻き込んだ。
孝司の目の前に竜二の右腕が表れた。

クラッチ!!技が極まった。
チキンウイングフェースロックだ。

 ゥガッハァッアア!!

孝司の声が叫び上がった。

 ウラアア!!ギブかあ!!

孝司は耐えた。

竜二は固めた脚を更に絞る。
畳み込まれた孝司の脚が竜二の右スネで圧迫された。

 ッううガアアー!!!くううぅぅう!!!

孝司の顔面を捕らえた竜二の腕がググッと盛り上がると、孝司の首筋がエビ反る。


 ナアああっぁぁああ!!!!

 逃げられるかあ!!??

 孝司!!ギブしろ!!完璧だぞ!

勇太は孝司に声を掛ける。

 ギブかぁぁ????はぁぁはぁぁ

 ひぎぃぃ、、くふぅぅぅ、、
 っぅぅノウぅぅぅ、、、のぅぅぅ、、、

竜二は少しの間をとって、渾身のチカラをそそいだ。
ギチギチと極まる孝司の左腕と首。

 ッラァぁ!!!孝司ぃぃ!!ギブウ!!??

 ごがぁぁっっ!!!
 ノォウ!ノォゥッッ!!

竜二は真剣に極めていた。
孝司も真剣に耐えていた。

孝司の自由な右腕が何かを掴もうと、前にのびていた。

 これでどうだあ!!ギィイブアップ!!!!???

 ヘグぅぅぅ!!!!!
 ギィィビィィィ!!!
 ギブぅぅっっ!!!!
 ギィイイブゥゥアッップゥゥッッ!!!!

孝司の右腕がこまかく芝をたたいた。


勇太は孝司のギブアップの姿を見て、プロレスはやっぱいいな、と思った。

二人はそのまま庭に寝転がると、太陽を浴びた。
まだまだ昼間のような夕方の時間だった。


 勇太ぁ、プロレスしよーぜ。

竜二は勇太の部屋に入るなり、ドカリとあぐらをかいた。勇太は週プロをバサリと床に放ると、竜二の目を見た。

 なんか、あったかぁ?

勇太は竜二が見てきたであろうものは分かっていた。
翔と淳のとめどもない熱い戦いを見てきたのだろう。

勇太の問いかけに竜二は応えなかった。竜二は二人の戦いを見て、熱いものがうつってしまったのだろう。勇太にも竜二の気持がなんとなく分る気がした。

 負けてもオコンなよ!

勇太は立ち上がると竜二を誘った。

 手加減すんなよ!

 ばーか、オレはいつでもマジだぜ!


先手必勝とばかりに竜二は勇太に組み付いた。
首を狙う竜二はフロントヘッドロックに捕らえた。
竜二はググッと絞めた。勇太はたまらず、竜二の腹に、2発3発と拳を入れた。

ロックが甘くなったところで、勇太は竜二の右腕を背中に絞り込み、ハンマーロックの体勢に。

 何を見てきたかしんねーけどな
 いろいろあんだろゥ?

勇太はギリリと絞りながら竜二をグランドに持ち込む。
竜二を腹ばいにさせると、勇太は竜二に馬乗りになった。竜二は素早く、腕を取られまいとしたが、勇太の攻撃のスピードのほうが早かった。

流れるように竜二の両腕は勇太のももに挟み込まれた。

 ドーヨ?オレのキャメルクラッチはあ?アァ?

 ッッフッウウガァァアーー!!!!

おどけた勇太の声とはウラハラに、腰の入たキャメルクラッチだった。竜二のアゴはガッチリと極められ、声も出せない状態だった。

 ギブするかあ?これで終わるかア?

 ふひぃぃ、、はひぃぃ、、
 っっうはぁぁ、、まだぁ、、まだぁ、、

竜二は無理矢理に両腕を脱出させると、ロープであるラインを目指した。勇太はキャメルを解放すると、ヘッドロックで竜二を立ち上がらせた。

一瞬のスキをついて、竜二はスリーパーを仕掛けた。
おぶさるかたちで反動をつけて胴締めのまま倒れ込む。
ガムシャラに竜二は勇太を絞めた。

 ッッラァぁ!!!
 ウラア!!ギブするかあ?落ちるかあ?!!

無言の勇太に竜二は胴を絞める両脚に力を入れる。
自分の背中がしなるように極めた。
しかし、勇太は冷静だった。
転がるようにロープエスケープ。場所が悪かった。
素直に技を解く竜二。

 オウオウ、ルールは守れるようになったじゃん!

勇太の言葉にムカついた竜二はケリを放った。
勇太はそれを軽く受けるとアキレス腱固めに極めた。
逃げようとする竜二は片方の脚で勇太を蹴りあげようとした。
勇太はそれも受け止めると、クロスアキレスの体勢に。
竜二の悲鳴が聞こえるが勇太の攻撃はそれでは終わらない。

竜二の股の間に自分の右足を突っ込むと強引に足4の字固めを完成させた。

 これでキメルぜッ!!!

 グッハァァァアーー!!!!! 
 
グリグリと完全な4の字にするように竜二の両足を固定させると、竜二の叫びも大きくなった。

 オラオラオラアアァァ!!!

勇太は背筋の反動で竜二の足を折り込んで行く。竜二も逃げようと思うのだが、身体が思うように動かない。

4の字に固められた自分の脚の向こうに、ギブアップを迫る勇太の顔が見える。口元に笑みを浮かべて、勇太は更に絞り上げた。

 竜二!ギブゥウ???

 っぅはぁぁ!!っうつぅぅうーーー!!!
 ノウノウノウウウ!!

 もういっちょう絞るかぁ??!!

言葉どうりに強まる痛み。
勇太は一呼吸おいてからノビをするように竜二を極めた。更に受け身を仕掛ける!今までとはまた違う激痛が竜二を襲った。何度も何度も勇太は受け身をする。

 ギィイブアアッップウゥッッツ!!!????

 ヌウウがアアーー!!!!

受け身!!受け身!!そして勇太は腰を突き上げ、竜二の両脚を絞り上げる。勇太よりも太い脚が勇太の両脚に絡めとられギリギリと締め上げられた。

ギブをしない竜二にさらに受け身を仕掛ける勇太。ひねるように全身をしならせて4の字を絞る

 っらぁ!!ギィイブウゥぅ?????
 
 ガアッ!!はぐうぅぅぅ!!!
 ギブっっっ!!!!ギブ!ギブッッッ!!!!!

勇太は右腕に大きな力コブをつくって勝利をおさめた。

竜二はまだ色んなことが分らなかったが、両脚のしびれる痛さだけがはっきりと分かった。


今日はそれでいいと思った。
海の民宿から戻ってからも、なんだか竜二はもやもやとした気持ちから抜け出せないでいた。

あの日、あの時、オレはなんだって淳にヤラれちまったんだ?ギブし続けるオレに技を極めまくる淳に正直ハラがたっていた。

 んじゃな、今日、淳ちに行ってこいや。

不満をぶちまけた竜二に勇太はそういった。
勇太はそれ以上のことは何も言わなかった。

竜二は元々素直な性格で、言われたとうりに淳の家を訪ねた。

部屋は熱かった。
竜二はそこで、淳と翔の戦いを見た。

 オウ!竜二ぃ!
 淳と約束でもあったか?
 ちょっと待ってろやっ!

翔はそう言いながらも淳にサソリ固めをガッチリ極めていた。二人とも短パン一丁で激しく汗を流していた。

 オラア!淳!
 竜二が来たぜぇ?
 待たせちゃワリーだろ!!
 ギブアップかあ?っらぁぁ??

 アアアグぅぅぅ!!!
 ノウっっ!ノウっっ!!

 竜二、待ってろよ!!今極めるからなあ!!

翔は右腕に大きな力コブを作るとググッと絞りを加えていく。

 ぐうがアアー!!!
 ガッッハッツ!!

 ッラァぁ!!!淳!ギブかあ!!

淳はサソリをくらいながらもロープである壁を目指す。
壁は竜二がいる方向とは逆であった。
少しずつ淳はロープに向かっていった。

翔はサソリの体勢が崩れたことが分ると、自ら技を解いた。

 そうだ、竜二!淳に落とされたんだってな。

竜二は何だか恥ずかしく、黙っていた。

 恥ずかしいことなんかないんだぞ
 うまい奴に落としてもらったほうがいいんだ

翔はグッタリと倒れている淳の左腕を持ち上げると、うつぶせの淳の首に腕もろとも自分の両脚を絡めた。三角絞めだ。

 オラ!!竜二に落ちるトコ見せてやるぜっ!!

翔は転がり反転する。仰向け状態で極まる三角締め。首四の字のように淳の顔面は翔のふとももの中で左腕と一緒に圧迫されていた。

 ヒィィィ、、ゲェッヒィィィ、、、、

翔は淳の左腕をピンと伸ばし逆関節に極める。

 ッッんガァァーー!!!!

淳はもう息も出来ないぐらいの状態だ。
翔はもうギブアップも聞かなかった。
首4の字のかたちに極められた淳は、それでもまだもがいていた。

 まだオチねぇや。

翔は更に両足をキツク絞め、腰を天井に向けて突き上げた。

 アアアーーーー!!!1ガッッはアアぁぁっっ!!

 オラァっっ!!!オチロやっっ!!

翔は渾身の力で淳を攻撃した。
竜二には淳の首が取れてしまいそうに見えた。

 ウオウリャアッツ!!!

翔の気合いとともに、淳は落ちた。

竜二は何も言わずに部屋を出た。
海の民宿に太陽が昇った。
潮の香りが開け放たれた窓からそよいだ。


 しっかし、孝司のコブラツイストは効いたぜぇ!

竜二はしみじみと言った。

 ワリッ!マジに極めたな。ホントワリィ!

孝司は笑いながらあやまった。

 このままだと帰れねぇよ、
 オイ、勇太、プロレスしようぜ!

 朝からやってらんないって。
 そうだ、淳先生にケイコ付けてもらうかぁ?

勇太はあくびをかみ殺し、そう言った。
孝司もそうだそうだと、笑った。

竜二と淳は対戦はまだだった。
お互いになんとなく打ち解けずにもいた。

 けど、竜二ィ
 淳はオレよりやばいからなぁ

勇太はニヤニヤと淳を見た。

竜二は正直、淳がそれ程強い相手だとは思っていなかった。筋肉の付きかたはナカナカではあったが、勇太よりも印象は細かったからだ。サボっていたとはいえ、竜二はラガーマン。身体の大きさでは孝司には少し負けるが、ガッチリしていた。

 おっ、竜二がやる気だぜ。淳先生頼むぜ!

勇太は完全に淳にプロレス相手を任せたようだった。
淳はしょうがないなあ、という顔で勇太を見ると、竜二をニラミ付けた。

 朝ゴハンまであんま時間ないからよ、
 全力で極めてくかんな。

淳のその一言で竜二はキレたように襲いかかった。
試合開始である。


淳には竜二にプロレスをさせる気が最初からなかった。
竜二が何度となく技を仕掛けていくのだが、淳には全く受けてやる気がなかったのだ。

絡み付く竜二のチカラを利用して、淳は転がるように竜二の左脚を両脚ではさみ込み、左つま先を右脇に引っ掛けると一気に二の腕で竜二のかかとをひねり返した。

 っっっっっがあああああああ!!!!

竜二はビクつくようにガタイを揺らした。竜二は淳のスネを慌ててタップ!!!

 ッッガッ!!ギブっっ!!ギブっ!!!

無言で解放した淳は立ち上がって竜二の動きを見下ろした。

 オラっ!オラっ!!竜二ぃ!!
 無造作に寝っ転がってると極められちゃうぜっっ!?

勇太は淳をあおった。

淳は竜二の左脚をつかみ上げると、左脇にホールド。反動をつけるように転がった!!

 ッッヌウガァァアア!!!

淳は竜二の左脚を制御するように両脚ではさみ込み、胸を反るようにして竜二のふくらはぎより少し下の部分を腕でグリグリと極めた。

 ッシャアー!!!アキレスっっ!!!
 うめぇっ!!

孝司が興奮して声を上げた。

竜二は叫び声を上げたままの表情で淳の脚をタップ!!
 
 っ!!っっあああっ!!ッブゥ!!ぃブゥっっ!

淳はアキレスを外すと間を置かずに抱えた左脚を攻める。竜二のふともも深くまで両脚ではさみ込みかかとを抱えた。

 っっなあっっ!!ぅうぁぁぁ!!!

淳は竜二の左膝頭にプレッシャーを掛ける。腰を突き出し、背筋力で反っていく。膝十字だ。

 !!!!!!!!!ッッぎゃあアー!!!!
 ぃぃぃブウゥぅ!!!ギィイィィブウゥゥ!!!!

 オイオイ!淳!!
 竜二の身体壊れちゃわねーかあ?

勇太は少しの心配と少しの可笑し味を込めて淳に言った。

 オレは最初からキメキメだって言っただろ!!??

うっすらと汗をかいた淳は笑った。

竜二は極められる度に、ぶざまな悲鳴をあげた。
しかし、竜二はまだまだ淳にむかっていこうとする動きがあった。淳は更に掛けまくる。まさにスパーだ。

タックルをかましてくる竜二をいなしてひっくり返すと素早く左腕を捕まえ両脚ではさみ込む。竜二も攻撃から逃げようとするが、淳の両脚でつぶされ、一気に左腕が伸びる。腕ひしぎが極まった。

 ッッガアアーー!!!ウウッッガアアー!!!

淳はギブを発しない竜二を腕をギリギリと極める。腰を突き上げる。
 
 ッッヌウううアアアアーー!!!
 ッぅブブゥぅ!!!ギブっぅう!!
 タップタップタップ!!!

腕ひしぎをはずした淳は竜二の左腕を制しながら胸に被いかぶさる。竜二は両脚をばたつかせ暴れるが淳は冷静に竜二の左腕をくの字に折り曲げ、背中にねじ込む。

 があああああ!!!!!!!!

淳はガッつりと深くチキンウイングアームロックを極める。竜二の動きを封じるように淳の左脚が竜二の後頭部から首筋に引っかかった。

 ッッガアアア!!!!!!!!
 ッツゥゥゥがアアア!!!!
 ぃぃぃぃブゥゥ!!ィィぃっッブウ!!!

ここまできて、竜二の動きがかなり緩慢になってきた。
淳は竜二をうつぶせにし、またがると、自分の左腕で竜二の左腕絡めた。竜二の顔面に自分の右腕を滑り込ませると、竜二の肩ぐちで両手をクラッチ。

 ウォォ!!極まったあ!!
 チキンウイングフェースロックだぜえ??
 イッテーべ、竜二!!

孝司は興奮気味に立ち上がった。
今まで一言もしゃべらなかった淳の口が開いた。

 ッラァ!!竜二ぃ!ギブかあぁ??!!

ボロボロの竜二にも意地があった。無言でまだ出来ることをアピール。淳は両腕に力を込めてゆく。竜二のうめきが聞こえる。
 
 ギブアップかあ?オラア!!

 ゲッヒィッィイ!!!グッッヒィッィイ!!
 
淳は竜二の腰に自分の両脚を絡め付け、転がった。竜二のガタイは淳のガタイの上に乗っかった。

 キッツー!!
 胴締めチキンウイングフェースロック!!
 完璧じゃん!!
 もうギブだって!!竜二!!ギブしろってっっ!!!

孝司は勇太を見た。勇太は止めようとはしなかった。

 ギブしねんだったら落とすかんなあ!!

顔面にまわしていた淳の右腕が竜二の首にするりと入った。

 ッッはあああ!!!ガッフゥッゥウ!!!!

淳の両腕がギリギリと締まり、太くなる。
胴を絞る両脚が緊張して震えていた。

 もう、ギブはないぜえええ!!!!!

 ッッッゲッッヒいいいいイィイ!!!! 

淳は全身の力で竜二を完全に絞り落とした。
真夏の太陽がギラギラとしていた。

迎えにきた勇太は何も言わずに淳を誘い出した。
駅に着くと、そこには孝司と竜二がいた。

勇太と竜二はプロレス勝負がきっかけで、たびたびつるむ仲になっていた。

4人が向かったのは海の見える民宿だった。
民宿は勇太のオジさんの経営のもので、ちいさな小屋って感じのものだった。4人が泊まってしまえば、それでいっぱいだ。

淳も勇太も孝司も竜二も、海に向かって走った。
大きく青い空は開放感にあふれていた。

じっとりと暑い夜だった。
4人とも昼間の太陽に焼かれ、小麦色になっていた。
得に竜二はよく焼け、黒く光る感じだった。
当然のように4人は上半身ハダカで、短パン一丁だった。
 
 プロレスしようぜ。

ねっころがる4人のなかで、そう言ったのは孝司であった。

 あつ苦しんだよ!

勇太は孝司に毒づいた。

 オレが相手になるよ。

竜二は起き上がると、孝司に被さった。プロレスの開始だ。淳も孝司も少々あきれ顔で二人を見守った。とにかくムシ暑いのである。

最近、孝司はラグビーの練習にもまじめに参加していた。タルんでいた身体も引き締まりだしていた。しかし、孝司の筋トレ好きは止まらないらしく、更に身体を大きくしていた。

孝司に被さった竜二はスリーパーを極めにいった。
孝司は絞られる前に脱出すると、竜二の左脚をアキレス腱固めに極めた。

 ッラァ!!ギブか?

 つアアっっ!!まだっ!まだッッ!!!!

竜二も孝司の左脚にアキレス腱固めに捕らえた。
二人ともガマン比べだ。

 オラア!!ギブしろッ!!筋肉野郎!!

 これでどうだ!!イジメっこ!!

勇太は二人の技をほどかせた。
スタンド状態の二人は休むこともなく組み合った。
もう、二人とも汗みどろで、薄暗い電燈に照らされ、テラテラと身体が光って見えた。

バックに回った竜二は左脚を孝司に絡め、コブラツイストを狙った。

 ウッワッッ!

孝司は固められると竜二を挑発した。

 竜二のコブラはこんなもんかよ!!

竜二は怒り顔で絞りあげた。
挑発する孝司も顔が歪む。

 ウラッ!!ギブかァ!!

 ッッグぅぅっっ!!!!

孝司は竜二の左脚を外しにかかった。ゆるんだ瞬間、竜二は腰で投げられた。孝司は倒れた竜二を立ち上がらせるた。

 倍返しにしてやんぜっっ!!!竜二ッッ!!

孝司は竜二の左脚に自分の左脚を深く絡める。4人の中で一番の成長を見せていたのが孝司である。孝司の長い脚が完璧に竜二の左ふくらはぎを固定する。スルリとはいった長い腕が竜二の首にまわされると、竜二は破裂するような叫び声をあげた。

 ッッギャッッ!!

竜二の顔面で孝司の両手のクラッチが完了。コブラツイストの完成だ。

 っっっららあああああああ!!!!
 ギブかぁ??!!ギブかぁぁ!!??
 っっららぁぁぁ!!!!????

 ッッ!!!!
 ノッっ!!!ノーーーーーーー!!

激痛に歪む竜二は、それでもギブアップしなかった。
孝司は腰を深く落とし、背伸びをするようなかたちで極める。
 
 グッッはアアアー!!!!!!!

 ぅぅッラァぁ!!!
 まいったかぁ!!竜二ィ!!どうだァ??!!

 アッっーーー!!!ガアアーー!!!ノーッ!!

孝司はコブラで決める気のようだ。
でっかい大胸筋を反らした。
クラッチする腕に筋肉のスジが走った。

 ギィィブウウゥするしかないゼェェッ!!!

竜二の胸は大きく開き脱出は不可能だった。

 ッッラァァア!!!! 
 竜二ィ!!
 ギィブゥ???!!!

グイグイと孝司は固める。二人の汗がダラダラと垂れていた。

 ギィイブウ!!!ギィブウアッップウッツ!!!!!

二人は倒れこんだ。

 アッチー。アッチィ!!!!

勇太は立ち上がると、二人の手を取り、立ち上がらせた。

 淳、海に行こう!!

開け放つ窓から気持ちの良い風が吹いてきた。

4人は夜の海を泳いだ。
授業の合間の休み時間。
勇太のクラスの後ろのほうで、悲痛な叫びが聞こえた。教室プロレスだ。

それは、多分にイジメに近いプロレスだった。
やっているのは、ラグビー部で、外れ者の竜二と、いつも一緒に行動しているパシリの正治だった。二人を取り囲むように竜二の仲間が3人ニヤニヤして見ていた。

 ああアーー!!アアアー!!
 ギブ!ギブ!痛いって!!

竜二はサソリ固めを掛けて踏ん張っていた。正治は抵抗できずに、解放だけを待っていた。

 キャメル!!キャメル!!

二人を囲んでいた仲間の一人が竜二にキャメルクラッチを要求した。竜二はサソリをほどくと正治の腹ばいに馬乗りになった。一瞬、正治はホッとしたのが見てとれた。しかし、それも一瞬だけだった。

竜二はイヤがる正治の両腕を自分の両膝に乗せ上げると、急激に正治のアゴを引き上げた。
 
 ウォウリャァッ!!!
 
 っっっっううううがアアアー!!!!!!!

竜二は周りに踊らされるかたちで正治にキャメルクラッチを極めた。

 ッブウゥ!!!ッッッヴウうう!!!!
 ギブゥ!!ギブゥッーーーーーーー!!!

正治のギブアップが教室に響いた。竜二はそんな宣言も聞こえぬ感じで技を離さなかった。

 まだまだチカラあまってんだよゥ!!

 ッッヒィィィいいっっっ!!!!
 ッッガああアーーーーー!!!!

竜二はグッタリとした正治を更に絞りあげた。仲間達も一層、竜二に声援をおくった。

 いい加減にしろやっっ!!!!

止めたのは勇太だった。見ていられなくなったのだ。
竜二を含めて、4人が勇太に注目した。そして教室にいたクラスの生徒たちも事の成りゆきを見守る雰囲気になった。

授業開始のチャイムが鳴った。

 竜二っっ!!
 放課後、道場来いや!
 プロレスの相手してやっから!!!!

勇太はそれだけ言うと、ドカリと椅子に座った。
ちょうどその時、数学の先生が入ってきた。



放課後。柔道部の練習後の道場に竜二はやって来た。

 勇太!来たぜッッ!!???

正治はいなかったが、仲間3人は竜二の後ろから入ってきた。

 よく来たじゃん!!
 俺が竜二の技うけてやッからっっ!!
 思いっきりこいや!!

勇太よりも5センチ程背の高い竜二は上着を脱いで、Tシャツ姿になった。マットに立つ二人を竜二の仲間は見守る。淳たちも突然の戦いを静かに見守った。


竜二は勇太に飛び掛かると、勇太を引き倒し、すかさず足4の字を仕掛けた。勇太は逃げようと思えば逃げられたのだが、まずは竜二の技をうけてみることにした。

 おおおおっっ!!竜二、スッゲェ!!!!

3人が応援する。
足4の字にすえられた勇太は微妙にはずしたかたちにし、反撃の機会を待った。

 オラオラオラオラ!!!ギブか?勇太!!

竜二はグイグイと絞めた。しかし、勇太には余裕があった。勇太は左右に反動をつけるとクルリと反転。4の字を返した。

 竜二!!
 オマエはよぉ!!
 他の奴からプロレス技かけられたことあんのかよ?

勇太は竜二を立ち上がらせると、ヘッドロックの状態からかわず落とし。竜二はマットに仰向けになった。

 あぁぁ!!???竜二ぃぃっっ!!
 サソリ掛けてたよな!!

勇太は竜二の両脚をサソリに捕らえる。反転して腰をガッシリと落とし付けた。

 !!!!ッッウウアアアー!!ッテーッッ!!!

竜二の叫び声が道場に鳴った。

 オラァぁ!!!イテェかよっっ!!?竜二っっ?

 ガッっ!!アアガっっ!!クッソッッ!!

竜二はなんとかサソリをほどこうとするが勇太のサソリはびくともしなかった。

 ギブるかァ?あぁぁ??竜二ィィ!!???

 ッッガぁっ!!ガッっ!!ギブギブっっっ!!

勇太はサソリ固めをほどいた。しかし、勇太の攻撃は終わらなかった。

 あぁぁぁ???竜二ィィッッ!!
 正治はギブの後よぉっ!
 キャメルをくらってたよなァ?

勇太は竜二に馬乗りになると容赦のないキャメルクラッチを固めた。

 グッヒィィ!!!ッガッハッッ!!

勇太は勢いをつけて竜二の腰を絞り上げた。

 ぃぃぃブウ!!!ギィブゥッ!!ギブゥッ!!

竜二のギブアップを聞きいれない勇太はさらに極めた。
勇太の大胸筋がピーンと突っ張り、チカラの限界が感じられた。

 俺もチカラがあまってんだよ!!!
 ッッラァぁ!!ッッラァァア!!
 ガンバッテくれよッ!!竜二ィィっっ!!!

 アアぐうっっ!!
 ッッブゥアァッップゥッッ!!!!

竜二の背中が更に反り上がる。

 マジギブかァァァ!!!!????

 ッッゲッヒィィッッッ!!!!!!

竜二はもう言葉がでなかった。

 勇太!!ストップ!!ストップ!!

勇太の渾身のキャメルクラッチを止めたのは淳だった。
勇太は肩を淳にたたかれて我に返る。

 竜二!!
 プロレスはなァ!!
 認め合った奴とすんのがおもしれんだよ!!
 分かったかァ!!??
 ああぁぁあっっ????

竜二のガタイがびくびくっと痙攣していた。
暑い一日だった。

放課後、勇太は淳のクラスに顔を出した。
 
 プールいこうぜっ!

勇太は二ッと笑った。

淳と勇太はスポーツセンターのプールに行くことにした。

二人は1時間程ふざけあい、涼しさを満喫した。
ちょうど、トレーニングルームの前を通りがかったときだった。ガチャリとドアが開いた。

 おっ!勇太じゃん!淳じゃん!!

その声は孝司だった。
孝司は筋トレに精をだしていた。

 またデカクなったんじゃねぇ?

勇太はボコボコと孝司の大胸筋にパンチを入れた。

 かっちょいーべ?

孝司はビルダーポーズで勇太のパンチを受けた。

 ちょうーどいいや、プロレスしよーぜ!!

孝司は淳と勇太をマットのしまわれている部屋に案内した。

 今日は勇太 対 孝司だな。俺はレフリーな。

 久々だな、孝司!!

勇太は基本通りタックルで下半身をねらう。しかし、孝司はびくともしなかった。

両股に勇太の顔を挟み込むと孝司は軽々とジャンプ。
パイルドライバーだ。決めた孝司に油断が生まれた。勇太は逆立ち状態の両脚を孝司の首に絡めた。それでも孝司は立ち上がると、もう一度マットに勇太を打ち付けた。

 っっんんがあっっ!!

動きの止まった勇太の左腕を孝司は持ち上げる。くの字に折り曲げると間に自分の右腕を差し込んだ。すかさず孝司の右脚が勇太の左腕を挟み込んだ。

 !!ッッううああ!!イタタタア!!

キーロックだ。

 オラオラ!!いてーか?勇太?

 クッアア!!クソッっ!!いってーよ!!!

孝司は笑いながらグイグイと両脚の力で絞め込む。

 レフリー!!
 
孝司は淳を呼んだ。

 勇太!!ギブ?

 ばか!!するか!!

勇太はもがくがなかなかぬけられない。
孝司は自ら技を解くと勇太を立ち上がらせた。バックに回ると勇太をバックドロップ。

完全に孝司ペースだ。
孝司は勇太の両脚を抱えると反転。逆エビ固めだ。

 グッッはアアーー!!!!!

 ギブか?勇太?

 ッッ!!ノッっ!!ノー!!

孝司は大きな胸を反らせてゴリゴリと勇太の腰を痛めつける。

 ツッッッー!!!!ッッガアアー!!!!!

 ギィィブゥウかぁあ??

勇太の身体が今にもボキリと音をたてて折れてしまうぐらいに反りあがっていた。

 勇太!!ギブか?

 ノッノッノーーーーーーーーー!!

孝司の方も不安になるぐらいの逆エビだった。そこに技の緩みが生まれた。

勇太は力まかせに腕立ての体勢から孝司をはねとばす。
勇太は腰を押さえながら、孝司にとびかかる。反撃開始だ。

孝司の左脚を掴むと裏モモに2発、3発とキックをぶちこんだ。

 淳!見てろよ!4の字いくぜっっ!!!!

勇太は孝司の左膝を折り曲げ、自分のスネに絡める。勇太がマットに倒れこんで完成だ。

 ヌウウアアアー!!デデッー!!

 オレだってなっっ!!!
 4の字にやられてばかりじやないんだぜー!!!

勇太はググッと4の字を固める。

 ウラッ!!孝司!!ギブるかぁ!!

 ガッっ!!アガガッっ!!まだまだァ!!

 オッシャ!!

勇太は孝司の左脚を更に右膝の上へと深く極めた。

 ガああああーーーー!!!!

 オッラァぁ!!!!!ギブするかあ???!!

孝司はなんとか身体をかえそうとするが、勇太はそうはさせない。
勇太は孝司の右脚にアキレス腱固めのような体勢で足4の字固めを深めた。勇太は孝司の右足を引っこ抜くような勢いでギチギチに攻めた。

淳は孝司の顔をのぞき込む。

 孝司!!ギブかッ!!?

 !!ガあっっ!!ああアッっ!!ノウノウッ!!

 これでギブだぜ!!!!

勇太は背筋で自分の身体がマットから浮かぶぐらいに孝司を極めた。

 ギイィイブウウッツツッ????

 ガアアー!!ああアーーー!!!
 ッバァアップ!!ッィッパップゥウ!!!!!

淳は勇太の4の字をほどいた。
 
 孝司、参ったか?

 つうウぅぅ、、ハァぁぁ、、、
 やられたやられた、、、

孝司は苦笑いで両脚をさすった。
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